月々の法話

月々の法話

菩薩がいた!


お堂などにまつられている像だけが菩薩というわけではありません。気をつけて見ると、世の中のあちらこちらで菩薩を見つけることが出来ます。私は、先月たくさんの菩薩を拝むことが出来ました。 茨城県曹洞宗青年会では、茨城県横断慰霊行脚を行いました。5月13日に結城市を出発、交通事故撲滅を願いながら、大洗まで5日間かけて歩いたのです。5年前、私が会長だったときに、北茨城市から守谷町まで縦断して歩いたのがきっかけで始まり、今回は横断に臨んだというわけです。 会長の中島竜平さん、前回と今回、全日程を歩ききった、曽根田宏道さん、米澤智秀さん、それに時間を見つけて参加した大勢の青年僧侶、みなさんが大衆とともに歩いたのはまさに菩薩の道です。 秋田県大館市の樹海ドームで行われた、梅花流全国奉詠大会にも菩薩がいました。秋田県曹洞宗青年会の佐藤道昭会長さん、それに会員の青年僧侶の皆さんです。 道昭さんは、場外誘導の任にあたられました。二日間に訪れる15000人の方とバスを事故なく、速やかに誘導しなければならない困難な任務です。朝の6時から4時まで、30度をはるかに超える駐車場での大変な仕事だったのにもかかわらず、彼はいつも笑顔で、全国から参加された講員さんに接していました。 私も、特派師範の配役で、同じ場外誘導係となり、全国大会を手伝ったことで、本当に大勢のスタッフの菩薩行でこの大会が支えられているということを、肌身に感じることが出来ました。 6月1日の坐禅会の朝、前夜の風雨はうそのようにおさまっていました。でも、本堂の入り口は、びしょぬれです。ふと見るとそこに掃除する母の姿が!全国大会で講員さんを引率して、疲れているはずなのに、足が痛いはずなのに・・・。その母の姿に私は涙が止まりませんでした。私は、私のすぐそばにいた菩薩を見逃す所でした。
2003-06-01 | Posted in 月々の法話Comments Closed 

関連記事