月々の法話

月々の法話

みんなちがって、みんないい


山口県長門市仙崎は、詩人の金子みすヾさんが、生まれた所です。小学校の教科書にものっている「私と小鳥と鈴と」という詩を紹介します。
私が両手をひろげても、お空はちっとも飛べないが、 飛べる小鳥は私のように、地面(じべた)を速くは走れない。 私がからだをゆすっても、きれいな音は出ないけど、 あの鳴る鈴は私のように たくさんな唄は知らないよ。 鈴と、小鳥と、それから私、みんなちがって、みんないい。 【JULA出版局 金子みすヾてのひら詩集・2より】
この、「みんなちがって、みんないい」という言葉は、なんと心地よく心に響くのでしょう! 金子みすヾさんが生まれたのは、明治36年(1903年)です。あの時代にこの様な発想を持っていた人がいたということに驚きます。当時はあまり評価されなかったようですが、最近になって再評価され、仙崎には、「みすヾ通り」や「金子みすヾ記念館」などもできました。 曹洞宗でも、金子みすヾさんのことを酒井大岳老師が本や講演で紹介しています。 けっして、幸せな人生を送ったとはいえない金子みすヾさんですが、生み出した詩の数々は、現代人に生きる力を与えてくれています。
2004-12-01 | Posted in 月々の法話Comments Closed 

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