里山の存続が危ぶまれます
里山の田んぼで収穫されたお米をかまどで炊くと、本当においしいご飯が炊き上がります。しかし、その極上のお米を生み出す棚田が今大ピンチです。山村で田んぼを作っている人の多くは、70歳以上、あと何年続けられるかわからないといいます。その子供の世代というと私たちの世代になるのですが、子育てや仕事など日々の生活に忙しく、田んぼや畑の手伝いをすることはほとんどありません。
親たちの世代の中には、子供たちにおいしい米を作ってあげようと頑張っているのに、子供に「無理してまで田んぼを作らなくていいよ!買ってきて食べれば良いんだから・・・・。」と言われ、田んぼを作る気力をなくしてしまったという人の話を聞きました。
実は、その「買ってきて食べれば良いんだから。」といえる時代に刻々と終わりが近づいているのです。
地球温暖化、世界的な人口増加、原油生産の減少、戦争など、様々な要因により、近い将来外国から食料を運んで来ることができなくなることを予測している人がいます。食料を買えない時代になった時、その時に里山の耕地が残っていればよいのですが、大型機械が使えない山間部の田畑は耕作放棄地となってどんどん荒れてきているというのが現状です。
せめて、実家が農家だという方は、田植えの時ぐらい、また、稲刈りの時ぐらい手伝ってあげれば、たとえ戦力にならない子供たちでも、そこにいてあげられれば、里山を守っている人のモチベーションが上がると思うのですが・・・。
経済格差等により、山村に住む人だけでは棚田や段々畑のある里山の風景を守っていけなくなっています。今こそ、都会の人たちに日本の原風景である、山村を守る活動に協力してほしいと思います。棚田を守る活動に直接参加してもらうのが一番ですが、たとえば、里山の田んぼで収穫されたお米を買って食べるだけでも、大きな力になりますので!
一年前、21年11月号の「禅の友」の特集で一緒に執筆させていただいた中村陽子さんの主宰する「メダカのがっこう」のホームページに食料自給の問題を描いた絵本がありますのでよかったらリンク先をご覧ください。