いつまでもシガの流れる久慈川であってほしい
今年は5年ぶりに厳しい冬となっています。日本海側の各地で豪雪が降り、車や列車が立ち往生したり、山のような雪が屋根に積もり、除雪作業に苦労しているようです。当地でも、平成18年以来マイナス10℃以下にまで気温が下がり、袋田の滝が凍り、久慈川に「シガ」と呼ばれる流氷現象が何度も見られました。
5年ぶりなどというと、今年が特別に寒いようですが、私が子供の頃はこれが当たり前でした。それに、今と違ってたいした暖房手段もなく、レバーをひねればお湯が出る今とはだいぶ違います。ご飯を炊くにもかまどに薪をくべ、お風呂を沸かすのにも薪を燃やしてました。今は、年に数えるほどしか流れない「シガ」も昔は毎日当たり前のように流れてました。そんな中を自転車に乗って中学校へ通ったものです。通学する時間帯の気温は間違いなくマイナス10℃以下だったと思いますが、その中にいるとそれが当たり前で、特段つらいとは思いませんでした。マイナス10℃だから凍死するということもなく。普段通りに暮らせているのです。
深い雪に埋もれて暮らしている雪国の人は、春が来ない冬はない、時節が来れば必ず雪がとけて花が咲くんだ!と、春の訪れを楽しみに冬を過ごすそうです。人生ってそんなものだと思います。たとえ、今はつらくても一日一日を精一杯生きていけば必ず人生の春がやってくると・・・。
今朝もマイナス9.7℃の厳しい冷え込みとなり、袋田を流れる久慈川では、今年、5度目のシガが観測されました。 もしかすると今季最後のシガになるかもしれません。温暖化の影響でシガがなかなか見られなくなっています。子供たちが大人になる頃も、久慈川のシガが見られるような当たり前の冬であって欲しいものだと願っています。
2011-02-01 | Posted in 月々の法話 | Comments Closed