百段階段を昇りながら人生を考えてみたら・・・
以前も月々の法話で紹介したことがある、大子の十二所神社の百段階段。だいご小学校の通学路にもなっているので、子供たちも昇り降りする石段です。先日この石段を昇りながら人生というものを考えてみました。
まず、12段昇ったところで立ち止まってみました。ここから見える範囲は限られています。長男の光尚は今、その12段目から13段目に登るところ、将来はまだ見えてきませんが。サッカー部で走り回り、中学校生活を楽しんでいるようです。日々の勤めとして、毎朝梵鐘を撞いています。
15段目になると、少しだけ見える範囲が広がりました。次女の千鶴子は義務教育を終え、高校生になるところです。どんな未来が待っているのかわかりませんが、けっこう頑張り屋で、学校の勉強やピアノの練習に熱心に取り組んでいます。吹奏楽部のファーストトランペットで町の行事にも引っ張りだこでした。
長女は22段目、大学の卒業が決まり、東京から引き揚げてきました。地元に戻り、社会に出る時を迎えました。街並みが見える高さです。でも、石段の上を見上げるとまだまだ先は長いです。足元を確かめ、焦らずにしっかりと一歩一歩昇って行って欲しい時期です。
学校での友人関係、先生との関係に悩んでいる人には、この百段階段に来て、自分の今の位置を確かめ、人生を考えて欲しいと思います。自分の未来に何が待っているのか、今はまだ人生という問い階段から見ればわずかな時間を過ごしてきたにすぎません。そうなんです。人生、まだまだ先は長いのです。目の前の事に行き詰った時は、少し未来の自分の姿を想像してみましょう。今やるべきことが見えてくれるはず!
ちなみに、私はもうすぐ53段目、けっこう昇ってきてだいぶ遠くまで見えるようになりました。でも、まだ全体からいうと真ん中あたりです。一生懸命昇る時です。
もう少し上ると62段目に踊り場があります。人生でいうと定年を迎える時期ではないでしょうか・・・、少し立ち止まり、人生を振り返り、これからやるべきとこを考えてみましょう。
母はもうすぐ80段目に昇ります。ここまで来ると街が一望でき、遠くの山並みもきれいに見えます。慌てることはありません。ゆっくりゆっくり昇りましょう。まだ上には21段ありますので、母にはもう少し上の景色を眺めてもらいたいと思っています。
百段階段は実際には百一段あります。その一番上からの眺めは最高です。皆さんも、そこまで昇って、人生というものを考えてみませんか?百歳生きるのは大変ですが、百段階段の上からの眺めは誰でも見られますので。
百段階段の写真は 住職のブログ「山寺日記」で
今年も、3月3日にこの百段階段でひな祭りがあります。豪華百段飾りのお雛様をご頂きたく存じます。